五福の<巡りあるくらしプロジェクト>の一環として、地域の土を捏ね、灰を原料とする釉薬で陶芸体験を行うワークショップを準備しています。

地域の土と灰で陶芸に挑戦

その前段階として「地域の歴史に触れる」ことを目的に、箕輪町の東山山麓・東箕輪地区を、ガイドの方の案内のもと季節を楽しみながら歩くウォーキングイベントを開催しました。

11月30日|東山山麓・長岡地区ウォーキング

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

体調不良や風邪でキャンセルもありましたが、4歳から88歳まで、外国人の方2名も含め総勢25名で、私たちが暮らす町をあらためて感じる時間となりました。
伊那谷の11月の終わりは冷え込む日もありますが、当日は晴天に恵まれ、太陽を味方につけた心地よいウォーキング日和でした。



歴史をめぐる

スタート地点の十沢地蔵尊は、地元の方に愛されている様子が伝わるお地蔵さまです。いつ訪れても季節の花が添えられ、清潔な衣をまとっています。願いを叶えてくれることで知られ、遠方から訪れる方もいるそうです。

一説によると、昔、お地蔵さまを移動しようとした際に、この場所から「うんともすんとも動かなくなってしまった」ため、それ以後この高台から地域を見守っているのだと伝えられています。

十沢地蔵尊の周辺を巡りながら、この地が高台にあることなど、箕輪の地形についても、箕輪町郷土博物館の柴館長からお話を伺うことができました。

お地蔵さまを後にし、東の山裾にある源波古墳長岡神社長松寺へと向かいました。道中に点在する石碑などについても説明があり、参加者の皆さんが関心を寄せている様子が印象的でした。普段通っている道にも昔の面影や地域の方の思いがあることを知る、貴重な機会となりました。

長岡地区には源波古墳、羽場の森古墳群など、古墳が8基あるそうです。今回訪れた源波古墳は移築復元されたものです。柴館長のお話によると、古墳は荒らされることも多く、出土品が見つかることは実際のところ少ないそうですが、源波古墳は地形的に見つかりにくい場所だったこともあり、多くの副葬品が出土したとのことでした。
それらから、当時かなりの勢力を持った豪族がいたこと、また奈良の都との交流があった可能性も考えられるそうです。ここでどのような暮らしが営まれていたのか、想像が広がります。

高台の源波古墳を下りたところに、長岡神社長松寺が並んでいます。
長岡神社は、諏訪大社下社秋宮の彫刻で名を馳せた立川流初代・立川和四郎による建築と伝えられています。特に本殿装飾は見事ですが、地域の方でさえ普段は目にすることがなく、閉ざされた場所となっているとのことでした。
今回は、区長さん、神社総代さん、宮司さんのご協力により、特別に本殿に入らせていただく許可をいただきました。

また、隣接する巣鶴山 長松寺では住職が寺の歴史や仏像についてお話しくださいました。長松寺は500年以上の歴史を持つ曹洞宗のお寺で、本尊は薬師如来。高遠の名工・守屋貞治作とされる延命地蔵尊や、閻魔さまが祀られています。寺内はどこも美しく整えられ、清々しい空気に包まれていたのが印象的でした。


イベントを終えて|地域の課題

スタート地点の十沢地蔵尊まではかなりの坂道が続きますが、自宅から歩いてきたという88歳の方もいらっしゃいました。
「数日前まで足が痛くて歩けなかったけれど、昨日痛みが和らいだので参加した。今日歩いているうちに痛みが嘘のように消えて本当に嬉しい。おかげさま、おかげさま。」
そう言って何度も笑顔を見せてくださいました。

地元から参加された方からは「とても良い企画だ」との声もいただきました。
一方で、長岡神社については、地区の方でさえ「一生入ることも見ることもない」という方がほとんどで、貴重なものであること自体が十分に共有されていない側面があるようです。参加者の中からは「地区の者にも開かれる機会を作ってほしい」と、神社係の方へのリクエストも上がっていました。

実際にこうして地域と関わりを持つ機会をいただく中で、様々な課題も目の当たりにしています。歴史をつないでいきたい思いはあっても、時代の流れとともに、管理の担い手や資金繰りなど、考えなければならないことが増えています。
そうした事情から、地域の中でも行事や保存すべきものに対する「思いの差」が生じている側面を垣間見ることとなりました。とはいえ、こうした問題は多くの地域に共通している現状でもあります。

過去の人々が豊かな未来を願ったように、私たちも、この先の未来へこの町の豊かさをつないでいきたい。
そのために何ができるのか。
一歩一歩、考えていけたらと思います。

最後に、ガイドを務めてくださった箕輪町郷土博物館の柴館長をはじめ、長松寺様、長岡地区の皆様、無量寺様に、心より御礼申し上げます。

地域を回るにあたり何度もお時間を頂戴した長岡区区長の清水さん。はじめはあっさり(そっけない)だったのに、回を重ねる毎に打ち解けてくださり嬉しかったです。最後はカメラにもニッコリと。

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